2-1. 昭和な働き方 - 昭和の社会の前提 ~ 東洋の奇跡がもたらしたもの
<高度経済成長の特徴>
昭和な働き方が確立されたのが高度経済成長期です。
1955年~1973年までの間、日本経済は年平均で10%もの成長を続け、1968年にはアメリカに次ぐ第2の経済大国となりました。
この経済成長により、例えば、個人消費という視点では、三種の神器と呼ばれた冷蔵庫・洗濯機・テレビという耐久消費財が一般家庭に普及し、人々の生活水準も向上させました。
また、投資という視点では、1964年には東京五輪が開催。それに合わせ東名高速道路や東海道新幹線の開通など、インフラも整備されていきました。
<人口が増え、経済が活発化する好循環>
この”東洋の奇跡”と呼ばれる戦後日本の高度経済成長を生みだした要因の1つが、人口が右肩上がりに増える人口ボーナスです。
人口ボーナス期・オーナス期について|働き方改革ならワーク・ライフバランス
人口は経済を支える土台です。人により財やサービスが供給され、人がそれを消費します。
特に1970年には全人口の70%を占めていた生産年齢人口(生産活動の中心にいる人口層、15歳以上65歳未満の人口)は企業側の供給力となる一方、旺盛な需要をも生み出します。
1960年~1970年代にかけての日本は、平均寿命70歳という社会で、高い出生数を誇っていました。
図表1-1-7 出生数、合計特殊出生率の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省
図表1-2-1 平均寿命の推移|令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-|厚生労働省
すなわち、生産年齢人口の増加が需要と供給をともに押し上げる好循環が生み出す一要因となりました。